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こどもに旅をさせるということ。7歳の娘がANAのジュニアパイロットでメキシコー日本24時間ひとり旅した話

我が家には現在9歳の長女、7歳の長男、4歳の次女の3人の子供がいます。

今回は、ちょうど2年前の長女の話を。

(この記事は2年近く前に書き出して書き終わらなかったものを、ちょうどもう2年前の話だ!と思い出して追い込んで書いたものです)

彼女は2017年5月1日、当時7歳(小学2年)のときに本人の強い意志で約6か月の間、メキシコ人のパパや他の大人の反対を覆し、ひとりで飛行機に乗って カンクン→メキシコシティ(カンクンにはANAのカウンターがないのでここまで同伴が必要でした)→成田→福岡 というおよそ24時間、丸1日かけた大移動の旅をしました。

日本へは、過去に1度だけ行ったことがあり、当時まだ3歳くらいだったので日本の記憶はあまり(ほとんど?)なかったと思います。

 

ANAのジュニアパイロットでメキシコー日本ひとり旅

事の発端は、ANAが成田ーメキシコシティ間の直行便を就航するという話をきいたこと。

メキシコが近くなった?!ANAがメキシコ直行便就航したよ!メキシコが近くなった?!ANAがメキシコ直行便就航したよ! 2017年2月15日、日本の航空会社ANA(全日空...

そこでANAのジュニアパイロットというプログラムを知りました。

 

ANAジュニアパイロットとは5~11歳の子供の一人旅の手伝いをしてもらえるプログラムです。

 

子供がひとりで飛行機を利用するときに航空会社のサポートを入れてくれる航空会社はANAに限ったことではないのですが、

やはり海外の航空会社よりも「ANA」というだけで安心感が断然違うんですよね。

なんとなく、私が「ひとりで日本行ってみる?」を半ば冗談半分で長女に聞いてみると、

「行く!!」

え!行くんかい?!

 

そこから私の両親への日本滞在中のサポート願い(母は校区の小学校に娘の受け入れを頼んでくれたりもしました)と並行して、最難関のメキシコ人パパへの説得。

日本がメキシコより治安は比べ物にならないほどいいとは言え、最愛の娘がひとりで約24時間かけて日本(福岡)へ行くなんて、娘には「今じゃなくていい、大きくなってから行けばいい」「こどもが一人で飛行機に乗ってたら警察が来て連れていかれる」とか嘘をついてみたり、もうその話はするなと言ったり、岡田おーみんの「お父さんは心配症」という漫画を思い出したくらい。笑

そして夫は心配過ぎて怒りへと変わりました。

矛先は私へ。

 

うちの子たちは日本語が分かりません。100%私のせいなんですけど。

常々、私が日本語をきちんと教えていないことを夫に指摘されていて、子どもたちの可能性を潰してると言われています。言い返す言葉もないんですが。

で、長女が日本にひとりで行きたいと言ったとき、「あの子は日本語がしゃべれないじゃないか!どうやって長時間のフライト、機内でコミュニケーション取るんだよ!日本でおじいちゃんたちともコミュニケーションも取れないじゃないか!母親が日本語を教えてないからだ!だから日本にひとりでは行かせない!」

と。

長女に「行けないのはママのせいだ」とも言っていました。

 

私も決めたら頑固なとこがありますが、長女にはそれを上回る頑固さがあり、絶対あきらめません。

長女がそのうち日本行きの話をしなくなったら、まぁそれでもいいかなと思っていましたが、しつこいくらいに諦めません。

なので、私は長女と密かにタッグを組んで、娘を使って色々パパを説得するように手をまわしました。

「パパは私のこと愛してるというのに、パパは私を信頼してない。信頼してないから、日本に行けないと言うんだ」

という風に言わせました。笑

それから、長女が日本行きのことをパパに話すときは私は話にかたらないこと。

 

まだ夫の賛成が得られないとき、義理の姉にも相談しました。相談というか、「長女がひとり日本に行きたがってるし、私もへ行かせたいと思ってる」ということを話しました。義姉は教師をしてるので、そういう視点のアドバイスももらえると思ったし。

だけど義理の姉は心配性でもある。「こどもを小さいときにそんな経験をさせたらトラウマになることもある。それに映画で、未成年者がひとり旅をして知らない間に麻薬の運び屋にされて投獄されたのがある。現実にもありえるから危ない。よく考えなおした方がいい」と。

私も、昔、石垣島からひとのいない大きな貨客船で密入国のような雰囲気のなか、台湾の台南へ入国し、台湾鉄道で台北へ上り、台北から福岡へ飛行機へ帰った時、空港で麻薬探知犬が反応し麻薬所持者の疑いをかけられ取り調べ室に連行されたことがあるので、そのとき麻薬どころか煙草も人生で1度も吸ったことないのに、もしかして知らない間に運び屋になってた?!と冷や汗をかいたことがありました。(結果、もちろん何も所持してませんでしたよ!)

そんな経験があるので、義姉の言いたいことも分かるけど、さすがにジュニアパイロットで行く7歳の子に麻薬運ばせる人はおらんやろ。

と思いつつも、心配なんてしようと思えばいくらでもできるもの。

私だって、もし娘の乗る飛行機が落ちて死んだら、って想像しようと思えば想像できて心配になるし。そしたら、娘を失うだけじゃなく、みんな行かせた私を責めるでしょう。

 

でも、よく考えたら、賛成を得る必要のない人にわざわざ話をして反対してもらう必要や、がんばって説得する必要ってないな。と思いそれ以来、日本行きの話はしませんでした。

ただメキシコは未成年がメキシコ国外へ行くとき、両親の許可が必要なので父親に黙って日本へ行かせることはできませんし、私もちゃんと了解を得て快く見送って欲しいですし。

でも、もし娘が日本に行ったら、夫が娘のことを誇りに思うこと知ってました。

 

それでも平行線だったので、最後の手段は、私の父から話してもらうこと。

あとから、あれはズルい!と夫に言われましたが。笑

 

でもね、ずっと思ってたんです。

娘のこの情熱が冷めたとき、「娘が諦めてよかったね」って思える?

「大きくなってから行っても遅くない」って、今の「行きたい」って気持ちは「今」のもの。大きくなっても「行きたい」って思う情熱があるって誰が決めてるの?

「鉄は熱いうちに打て」じゃないけど、親は子供の情熱を保つことはできないけど、願うことを叶えてあげる選択肢があるなら(叶えてあげれないことだってたくさんある。でもそれはそれでいい)、人生の幅を広げてあげれることがあれば広げてあげたらいいよね。

そこで、子どもが何を感じるか。それはもう親とは別物。行かせたことで、楽しいだけじゃなくて、寂しいとか、悲しいとか、つまらないとか、悔しいとか思う気持ちは親が侵入する領域ではなく、子ども自身のものだしそれが積み重なって人生の財産になる。それを大人が「心配」という根回しで奪っちゃいけないんだよ。

「心配」という名のものとに憚(はばか)るなら、それが積み重なって子供にとっては「自分はできない」という自信を奪うことになる。

 

まずは、親がその心配という恐怖を乗り越えることだ。と思うのです。

 

だから、夫が娘に行くのはダメだというのも、恐怖からだって分かってたし、娘が日本に行って感じる感情はポジティブなこともネガティブなことも彼女のもの。それはそのときしか感じれないことだしね!

子供をひとり旅させることに「成長」も求めてないし、あえて言うなら自分の「やりたい」ことを「自分の意志で行った」と思ってもらえれれば私は大成功だと思う。

 

とは言いつつも、私もANAだったから娘をひとりでメキシコから日本に行かせてもいいと思ったし、もしかすると日本語がしゃべれないので意思の疎通ができなくてCAさんなどにご迷惑かけたかもしれないけど(娘は旅のことを多く語ってくれなかったのでどんな風に機内を過ごしたのか、日本で乗り換えの数時間をどんな風に過ごしたのかいまだに不明)、ANAのおかげで私たち家族が良い経験ができたことを感謝します!

 

2年たった今、ちょうど真ん中の息子が今7歳。

それを見ると、こんな小さくてひとりで半年も頑固にひとりで日本に行くと言い張り、実際に行ったんだと思うと、一番上の子はついつい自分ちの子供で一番大きいから「大きい」と思っちゃうけど、振り返ると、実は小さかったんだねって思い返すことがある。

 

昔、「長子(上の子)として生まれてくる子供の魂は強くて逞しい。なぜなら一番上の子は親も親初心者でそれに耐え、そして未熟な親を成長させる強さを持ってるから」というような感じなことを読んで、心の闇を持っていた長女の私はとても救われたことがあるんだけど、

自分の娘を見て、確かにそうかもしれないな。と思いました。

 

私も未熟な親ですが、もし子供にひとり旅をさせることを悩んでる方がこれも読んでいらしたら、こどものひとり旅に対して「成長」を求めなくていいと思います。

成長はするかもしれませんが、成長してもしなくてもどっちでもいいんです。

「経験」「がんばった」「偉い」とかの前に、子供がそこで感じた感情(楽しい、怖い、面白い、つまらない、悲しい、不安、寂しい)なんでもそれがその子本人の人生のエッセンス。

もうそれだけで十分というか、「以上。(マル)」でいいと思うんです。子供に感じさせたい感情を押し付けない。ついつい感動させてあげたいと思っちゃいますよね。

 

逆に、うちの息子は全くひとりでどこに行きたいとか言いませんし、お泊り会でさえも行きたくないといいます。学校も嫌いで、小学校除名してくれと言ってきますし。

ひとりひとり、持ってるものが違うので比べたくなることもたくさんあるけど、よく考えたら、自分だって人と比べたくないもの。

自分が持ってるものを尊重してあげるように、子どもにも尊重してあげる(肯定してあげる)ことが私の課題でもあります。

 

次回は、今回全然触れれなかったメキシコー日本のこどものひとり旅に必要な手続きを書こうと思います。

なんか、子育てについて書きすぎて(脱線しまくり)力尽きたので書ける保証はありませんが、メモ程度でも残せたらと思います。笑

 

 

 

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当『Cancun Days(カンクンデイズ)』は元カンクンツアーガイドの里紗(りさ)が独自の視点で、カンクン情報、海外旅行や海外暮らしに役立つ情報を楽しくお届けするサイトです。 カンクン在住18年目の私の国際結婚や海外子育てについても書いていこうと思います。 元ガイドなのに「ガイド無しプライベートツアー」をコーディネートしてます!元ガイドだからこそお客様の気持ちを考えて、安心して遺跡やセノーテに行けるよう配慮しているのでお客様の満足度も高し!カンクン空港ホテル送迎も手配できますよ!