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デマだった、グアテマラ火山噴火救助に メキシコ海軍救助犬Frida(フリーダ)が行くのは喜べる?そして「蚊」の嗅覚搭載 災害ロボットを知る

グアテマラ・フエゴ火山の噴火から3日目の6月6日の夕方、私のメキシコ家族のWhatsapp(日本で言うLINEみたいなの)で、

「Frida(フリーダ)がグアテマラに到着したんだって!!」

 

とメッセージが入った。

 

Frida(フリーダ)とはメキシコ海軍の救助犬で、2017年のメキシコ大地震で活躍し一躍有名になったラブラドールの女の子。

メキシコ地震の被災地で活躍する救助犬Fridaフリーダと、私の犬オタクだった幼少期 今回のメキシコ大地震で各国の救助犬が大活躍しています。 先日メキシコに到着した日本からの救援隊も、4頭のシ...

 

真ん中にいるのがそのフリーダちゃん。

このおっとりそうないでたちと、マスクと靴がトレードマークで世界的にヒーローになりました。

こんな画像もたくさん出回りました。(Marinaマリーナはスペイン語で海軍の意味)

 

このフリーダが「フエゴ火山噴火の救助へグアテマラ入りした」と言うのです。

インスタグラムとか見てみると、グアテマラの人たちが「フリーダがグアテマラ入りしました。フリーダありがとう!メキシコありがとう!」

 

と確かに書いてるのがたくさんアップされてて、

みんなコメントに、「素晴らしい!」「また活躍してください」

とか書いてあったけど、私はなんか違和感。

 

フリーダのニュースをシェアしてくれた義姉に、

「怪我がないといいけど・・。でも、火山灰、フリーダの健康に絶対悪いと思う!」

 

と送りました。
(14歳上の義姉に気軽にそう言う口きけるのはメキシコにいるおかげ 笑)

 

そして今日、同じく義姉から、「フリーダのグアテマラ入り、嘘のニュースだった!」

とメッセージが。

ちょっと、ホっ・・・。

 

 

 

災害救助犬って、火山噴火のときも捜索に入るの?

人間より優れた犬の嗅覚を利用して捜索するのだから、匂いを嗅ぐ鼻からどれだけの火山灰が入るんだろう?

犬は体温の調整の為に舌を出してハァハァと呼吸する。口からどれだけ火山灰がはいるんだろう?

 

犬用の防塵マスクってあるのかなと思って検索してみたけど見つけれませんでした。あるのかな?

 

フリーダのグアテマラ到着のニュースはデマだったけど、到着を喜んでた人たちが犬たちに期待したのは理解できるけど、こんな火山灰の覆われた場所で救助犬が防塵マスクしないで捜索するのを応援して、犬たちを英雄化するの?

 

もちろん地震のときも大量の粉塵が想像されるけど、火山灰の中の作業はそれとは全然比べ物にならないくらい灰に覆われているし、化粧パウダー並みの細かい粒子にもなるらしい。

そんな場所で自分が地面(火山灰)に鼻をくっつけて、舌を出して口呼吸してみてよ、想像するだけで鼻腔と頭が痛くなって、喉に灰がまとわりついてオエってなる。

 

 

でも、火山噴火のときもやっぱり災害救助犬は出動するようになってるのかな?と思って、調べてみました。

参考になるものがなかなか見つけられなくて、唯一見つけたのがこちらの一文

 2003年5月24日救助犬訓練報告

中略

目的:環境および他人への馴致。運動能力および体力増進。
理由:地震、台風、土石流、火山噴火などの災害を想定して日常の訓練を積むことが必要。面識のない被災者(遭難者)を救助するため、他人への友好性を高めることが必要。

出典元 屋久島救助犬協会 http://yakushima.org/kk030524.htm

 

「土石流や火山噴火などの災害想定して訓練」とあるので、やっぱり捜索に入るのかな・・・。

 

犬の嗅覚は人間の100万倍~1億倍(?!)優れていると言われています。

1億倍ってもう訳が分からないし、どうやってその数字を出せたんだろう?!
とびっくりするんだけど、

人間より1億倍強く匂いが嗅げるというわけではなく、嗅ぎ分けられるということです。

なので、警察犬が犯人の足跡を追えたり、麻薬探知犬がドラッグを探しあてられるんですねえ。

 

働く犬たちは人間の良きパートナーとなって犬の高い能力に助けられていますが(全てがいい例ではありません。残酷な例もあります。世界大戦中など犬の嗅覚を利用して敵の地雷の匂いを覚えさせ、軍用犬を走って行かせたくさんの犬たちを自爆させました)、

 

今回のグアテマラの被災地を見ていたら、あの環境に人命救助とはいえやっぱり救助犬は入れないで欲しい!

と一瞬にして灰に沈んだ村を眺めていたら、未来に大いに期待したい救助ロボットの存在を知りました。

 

それが『蚊の嗅覚を使った災害救助ロボット』です!
東京大学のサイトで見つけてきたのですが、蚊の嗅覚を利用する発想も、それを人工的に再現することもすごい!なんという世界なんでしょう!

(どうして私ばっかり蚊に刺されてメキシコ人は刺されないのかも知りたい!それとも刺されてるけど痒くないとか?)

出典元 東京大学 https://www.u-tokyo.ac.jp/index_j.html

蚊の膜タンパク質を用いたヒトの汗の匂いを感知するセンサ

人工の細胞膜に埋め込み、ロボットに搭載生産技術研究所
情報理工学系研究科
総合文化研究科・教養学部
2016/12/01

蚊の受容体を用いた匂いセンサを搭載した移動ロボット
© 2016 Shoji Takeuchi research group.

東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授と神奈川科学技術アカデミーの三澤宣雄研究員らの研究グループは、住友化学と共同でヒトの汗の匂いに反応する蚊の膜タンパク質(嗅覚受容体)を人工的に作った細胞膜に組み込んだ匂いセンサを開発し、移動ロボットに搭載したところ、匂い物質にセンサが反応し、ロボットを動かすことに成功しました。災害現場などで不明者を探すセンサへの応用が期待されます。

これまで様々な匂いセンサが世界各国で開発されています。しかし、コンパクト性や感度・選択性という面で生物の嗅覚には及ばない、という課題がありました。

研究グループは、グループが以前に開発した、天然の細胞膜を真似て脂質の二重膜(人工細胞膜)を形成する方法を発展させ、蚊の触角に含まれている膜タンパク質でヒトの汗の匂いに反応する嗅覚受容体を人工の細胞膜中に埋め込みました。この嗅覚受容体は、ヒトの汗の匂い成分の一つとされるオクテノールに強く反応し、膜の電気の通しやすさ(導電率)を変化させます。この変化を読み取って蚊はヒトの匂いを感知します。

出典元 https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/sensor-detects-odor-from-human-sweat-using-mosquito-membrane-protein.html

 

こうして、「従来ある動物×テクノロジー」って未来の可能性をすごく広げることに感心します。私たちの知らないところで色んな人たちの発想や研究の努力が支えてるんですね!

(トイレの便器(たしかTOTO)もナメクジの性質を利用して表面を作られたと昔聞いたことがあります)

近い未来、救助犬たちがリストラという風には捉えませんが(救助犬は育成をされて救助犬となるので、リストラとは思いません)、犬たちの怪我や健康を害する仕事の軽減や、人命救助にこういったロボットの活躍が期待されることと思います。

 

 

ABOUT ME
里紗
メキシコ在住20年の里紗です。カンクンでのんびり暮らしながら、書くのが好きでここでの暮らしを紹介させてもらっています。メキシコに興味を持ってもらえたり、カンクン旅行にお役に立てれば嬉しいです/
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