メキシコのカンクンは、カリブ海に面していながらもカリブ海以外の「天然水」を楽しめるスポットとして「Cenoteセノーテ」と呼ばれる場所があります。
昔はセノーテをメインで行くツアーなんてほとんどなかったのですが、日本でもテレビで紹介やSNSの写真投稿により「グランセノーテ」というセノーテが人気になったり、はたまたカリブ海に海藻が多い月は観光者がセノーテに流れたりと、「カンクンに行ったらセノーテを見に行こう!」というのが、日本人、外国人問わず定着してくるようになりました。
今回は「セノーテって何?」セノーテについて、ちょっと詳しすぎるくらい書いていこうと思います!
最後まで読めば、行きたいセノーテの選び方のヒントになるはずです。
セノーテとは
セノーテは泉ではない
セノーテとは「泉」と訳されることが多いですが、実は違います。
他に翻訳できる言葉がないので「泉」と訳されているんだろうと思いますが、セノーテと泉は異なり、「セノーテはセノーテ」となります。
本来、泉とは水が湧き出るところであり、セノーテは湧き水ではないのです。
セノーテはどうやって作られる?美しい透明度のセノーテができる理由
セノーテは雨水が長い年月をかけてに地下に浸食していき、地下水脈になり、そこが陥没したり洞窟になったものを「Cenoteセノーテ」と呼びます。
なので、セノーテの水は海水ではなく、地下水なのでしょっぱくないんですよ(^^)/
地下水なので海水より水温が低いです。常夏のカンクンといえども、冬の時期(日本でいう秋のような感じ)はセノーテの水もかなり冷たくなります。朝一ならなおさら!
ユカタン半島は石灰質の土地で、雨が降っても川にならずに地下に浸水していきます。なのでユカタン半島には川がないという変わった土地です。(あと山もない)
その長い月日をかけて浸水した雨水は、地層のフィルターによって浄化され、非常に透明度の高いクリアな水ができあがります。
このターコイズブルーのクリアな水に光が差し込み「光のカーテン」ができるのです。
セノーテはカリブ海の美しさに関係する?
長い年月をかけてろ過されたセノーテの水が海に流れ出し、カリブ海に流れ出します。
そして珊瑚が砕けてできた白い砂浜のカンクン、リビエラマヤのビーチと合わさり世界でも美しいメキシコのカリブ海ができるんですね。
実際、海に入ると、下から冷たい水が湧き出てくるのが分かったりするんですよ♡
Photo by https://www.pinterest.com.mx/pin/410460953521790195/
Cenote(セノーテ)はスペイン語ではない
セノーテはCenoteと読み書きするのが定着していますが、本来はスペイン語でなく(ここメキシコはスペイン語圏です)この土地に古代から住むマヤ民族の言語「マヤ語」からきています。
元々、セノーテは「dzonoot」と呼ばれていました。意味は「水のある穴」
それが変化し現在のCenoteとなりました。
セノーテの数
そうやって作られたセノーテは、3500カ所とか、はたまた8000カ所とかのセノーテがユカタン半島にあると言われています。
ジャングルに覆われた土地なので発見されていないセノーテも多いからでしょう。
とにかく無数にあるのです!
観光地になっていたり、ダイビングスポットになっているセノーテもあれば、マヤ文明時代に生贄をささげたといわれる「聖なるセノーテ」がチチェンイツァ遺跡の中にあったり、かと思えば、普通に人の家の裏庭にあったりします。(マイセノーテみたいな?)
小さくて少し見づらいかもしれませんがセノーテが記されている地図です。
https://sites.northwestern.edu/monroyrios/some-maps/chicxulub-and-ring-of-cenotes/
マヤ時代のセノーテ
前述したようにこのユカタン半島には川や湖がありません。
そこで水道のなかったマヤ時代の大事な飲み水、生活用水はセノーテからでした。
チチェンイツァ遺跡のセノーテは生贄を投げていましたが、全てのセノーテがそんな風に使われていたのではないんですね。
チチェンイツァ遺跡にある「聖なるセノーテ」。少女の骨や財宝がここから見つかっており、雨の神様チャーックに捧げられたといわれています。ちなみにここは下りることはできません。(私の写真力じゃ小さく見えますが水面まで距離があり大きなセノーテです)
今では観光スポットのセノーテは人が簡単に下りれるように階段を作っているところがほとんどですが、昔はこんな感じだったようです。
Photo by https://sds.yucatan.gob.mx/cenotes-grutas/historia-espeleologia.php
洞窟のセノーテ調査では、氷河期時代アメリカ最古の人骨が見つかったセノーテもあります。
その他、新種の動物(過去に絶滅したであろう記録がない動物)の骨が見つかったり。
セノーテがただの「綺麗な水」というだけではなく、こんな謎に包まれたミステリーもあるんですね。
セノーテの種類。全てのセノーテが綺麗というわけではない
ここまで読んでくれた方は、「セノーテの水って透明度がすごくて綺麗って言ってるのに、なんか汚そうなセノーテも混じってない?」と思われたはず。
さっきのチチェンイツァのセノーテなんか、苔ばかりで緑。あそこに落ちたら、呪われる前に速攻でおなか壊しそうと思うですが(そんなこと思ってはダメですあそこは「聖なるセノーテ」)、実際「セノーテという場所は全て綺麗」と思って見に行くと、正直がっかりします。
セノーテの年月による、形の移り変わり
セノーテは年月により形が変化します。
http://loscenotesdeyucatan.blogspot.com/2015/
上の写真から見ても、チチェンイツァ遺跡のセノーテがとても古いものだとわかりますね。はっきりしたセノーテの年齢はわかっていませんが、生贄など投げて宗教儀式に使われたのは700年ごろと言われています。
セノーテの形の種類
上ではセノーテの年月によって形が変わって行くと書きましたが、セノーテ自体の形もいくつかの種類に分けられます。
これを確認すれば、行ってみたいセノーテを絞る参考になるかも。
セノーテの種類は大きく分けて4つに分けられます。
- 洞窟型セノーテ
- 半オープン型/壺型セノーテ
- 垂直オープン型セノーテ
- 古代/沼型 セノーテ
Photo by https://www.pinterest.com.mx/pin/410460953521790195/
(注意)上の図は海に近いほうが浅いセノーテという意味ではなく、海水との高さを比較しています。
写真で見るセノーテの種類
セノーテと言っても色々あって奥が深いですよね。
シュノーケリングで透明度を楽しみたいのか、もっと潜ってダイビングを楽しみたいか、神秘的な形や鍾乳洞の地形を楽しみたいのか、目的によって訪れるセノーテが変わってきます。
次回は種類別セノーテの楽しみ方、カンクンから行けるセノーテの選び方をお伝えしようと思います!
セノーテツアー
当サイトでも人気のセノーテツアープラン。
プライベートなので、人気のセノーテ(グランセノーテやイキルセノーテ、スイトゥンセノーテなど)はもちろん、他のツアーでは扱いがないマイナーなセノーテでも催行することができます!
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